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会長のぼやき

広島アニメ同好会、会長がぼやく。ぼやきにぼやく。

広島市

本当かどうかちょっと怪しいんだけど

俺、広島人なんです。

 

うん、広島に住んでんのは間違いないんだけど

人かどうかはすげー怪しいってところでこんな言い方になる。

自分でも自信はない。

 

ただまあ生まれも育ちも広島でね

一時だけ香川に浮気したことはあれど

そこは生粋の広島県民なわけ。

 

ただ広島でも中心部からは結構遠いところにずっと住んでまして

今の同居人と同棲を始めてからも

中心部からは少しだけ離れたところに住んでる。

いわゆる広島市には住んでいないわけ。

 

広島を知らない方のためにちょっとばかし説明しておくと

広島は【広島市と愉快な仲間達】って感じで

広島市がすげー有力な勢力なの。

 

もう広島市以外広島じゃないのって

私以外私じゃないのばりにゲスい雰囲気が漂っている。

 

その証拠に広島県民は老いも若きも男も女も

みーんな広島市のことを「市内」と言う。

詳しく言えば、広島市でも中心部

最も栄えている一帯のことを「市内」と言う。

 

家に帰って母親にどこに行ってきたのか尋ねられても

「市内。」

と、言えば通じる。

間違ってもそこで「何市?」というツッコみは飛んで来ない。

 

実を言うと幼少期からこれがすげー疑問だった。

広島には大小様々な計14もの市があるわけで

言ってみればどの市の中も市内。

 

万が一呉市に行ってきた日に母親に何処へ行ったか尋ねられても

「市内」って言っておけば、嘘を吐いたことにはならない。

呉市内であっても市内は市内だろ?

その嘘を吐くメリットは今のところ見つけられてないんだけど。

 

と、まあこのように悲しいすれ違いを生みかねない言い方が

昔っからすげー疑問だったんだけども

もう公用語の如くみんな「市内」って言ってる。

 

もう東京に行って「どこから来たんですか?」って聞かれても

「市内から来ました。」って言っちゃいそうな雰囲気。

 

アメリカに行って「Where are you from?」って聞かれても

「I from Shinai.」って元気良く言っちゃうレベル。

 

それぐらい広島県民にとって「市内」と言えば「広島市」なわけ。

広島市にすげー憧れを持ってると言っても過言ではない。

 

小学生の頃、仲間内の数人とお小遣いをためて広島市に行ったことがある。

当時バスと電車を乗り継いで、確か片道1000円くらいの交通費がかかったんで

往復するとそれだけで2000円がなくなる。

子供料金だとしても往復1000円だ。

 

小学生にとっての1000円はかなりの大金である。

恐らく当時1000円あれば1ヶ月過ごせたであろう。

 

しかし俺たちは市内に行きたかった。

どうしても市内という世界を堪能してみたかった。

 

貯金箱からお金を出す。小銭ばかりだったけど2000円くらいはあった。

そして仲間と共にバスに乗ったのだ。

このバスは未知の世界に俺たちを連れて行ってくれる。

俺達の心は自ずと高ぶっていっていた。

 

そしてバスを乗り換え今度は電車だ。

ここで補足しておくと、俺の地元には駅がないので

最寄りの駅まではバスで30分くらいかけて行かないといけない。

そういう意味で交通的にも広島市というのは遠い地だった。

 

なので電車に乗る機会なんて皆無だった。

仲間の中には初めて電車に乗るというヤツまでいた。

当時まだ自動改札なんてものは無かったので

駅員さんにキップを切ってもらい改札を入る。

 

駅員さんにキップを切ってもらっただけなのに、少し大人になった気がした。

 

そして電車に乗り、俺たちは憧れの市内へと降り立ったのだ。

眼前に広がる風景に俺たちは絶句した。

 

ビル、そして人。

地元では決して目にすることができない風景が広がっていた。

 

地元なんて見渡す限りの畑。人なんてのもほとんど歩いていない。

遠目に人がいるって近づいたらカカシだったってことも良くある。

 

それがここはどうだ。見渡す限りの人やビル。

俺はその風景に圧倒されてしまっていた。

それどころか、ここに来たことを少し後悔していた。

俺には、まだ早すぎたんだ…。 足が震える。

 

仲間達もそれは同じだったようで

先ほどまでのテンションが嘘みたく、全員静まりかえっていた。

 

誰かが口を開く

「これからどうする?」

 

時間はまだ午前中の早い時間。

なるべく長く市内を堪能したかったから早起きしてきたのだ。

しかし、俺たちは大きな失敗をしていた。

 

市内に来ることを目的としてしまっていたため

市内に来て何をするかまでは考えていなかったのだ。

 

更に田舎民の頭では市内で何ができるかなんて想像もつかない。

とりあえず、野球やおにごっこはできそうにない。

かくれんぼなんてした日には永遠に帰ってこれない気さえした。

 

そして田舎民の小学生達が、その頭を必死に絞って出した答えが

マクドナルドを食べる」だった。

 

笑わないで欲しい。

何故だかは知らないけど、当時の俺たちの頭には

「都会=マクドナルド」という訳のわからない等式が出来上がっていたのだ。

 

しかしマクドナルドが何処にあるかはわからない。

今思えば、降り立った広島駅にもマクドナルドは入っていたんだけど

小学生当時の俺たちがそんなこと知ってるわけがない。

 

「まあ歩いてれば見つかるっしょ!」

 

そう良いながら、まるでコンビニでも探すようにマクドナルドを探す。

そして当然のことながら

歩いているだけでマクドナルドにぶち当たる確率は少ない。

 

行けども行けども見当たらないマクドナルド。

何なら都会なら数十メートルおきくらいの感覚で

マクドナルドがあるもんだと思っていた俺たち。

誰も口にしないが、誰しもが思っていただろう。

 

もしかしてマクドナルドって、都会でもそんなにないのでは?

 

そんな矢先、俺は見覚えのある風景に出くわす。

そう、俺にはアドバンテージがあったのだ。

祖父母宅が広島市内にあり、中心部にたまに遊びに連れて行ってもらってたのだ。

そしてお昼にマクドナルドを食べさせてもらったこともある。

 

勝った。俺はその時確信した。そして大きな声で仲間に言う。

「俺、ここ来たことある。」

 

先ほどまで泣きそうな顔で歩いていた仲間達の表情に期待に光が灯る。

「じゃあマックは、マックはわかる?」

まるでプレゼントを貰う直前の子供のように目を輝かす仲間達。

 

「わかる!」

 

その瞬間、歓声があがった。

砂漠を彷徨っていたら突如、オアシスの場所を知っている者が現れたら

誰だって歓声をあげるに違いない。

それと同じことが今ここで起こったのである。

 

それから多少迷いつつも、俺たちはマクドナルドに辿り着いて

ハンバーガーとポテトを食べたのである。

 

これで明日学校で「市内に行って何もできずに帰った」という報告をしなくて済む。

「市内に行ってマクドナルド食べてやったぜ」と言えば俺たちはヒーローだ。

 

と、まあこんな思い出を

先日休みの日にすることなく、まあ市内でも行くかって

何をするでもなく市内ブラブラしながら

昼飯もまあ特に食いたいもんないしマックでいいかって

たまたま小学生のあの日に行ったマックに入ったもんで思い出したわけです。

 

小学生の時は憧れだった市内にマクドナルド

大人になるにつれ急激にランクダウンしたよなーって思いながら

少し悲しい気持ちになると共に

いや、小学生の俺、憧れすぎだろ…

と、なんともいえない気持ちになったので書いてみた次第です。